エルサレムの超正統派ユダヤ教徒たちで知らない人はいないこの人、服部モーシェさん。本名は服部信孝。以前はキリスト教の牧師だったという彼が、ユダヤ教に改宗し、その後ユダヤ教を若きユダヤ人達に教えるラビ(教師)にまでなったということでへレディーム(超正統派の呼称)の世界では有名人です。イスラエルにはユダヤ人男性と国際結婚し、ユダヤ教徒になった日本人女性は結構います。ところが結婚を介してではなく、1人の異邦人男性があくまで自主的に改宗した例は—それも奥様と同伴でという例は、服部ご夫妻を除いて他に例はないと思います。ちなみにモーシェ氏の奥様はチッポラという改宗名をお持ちで、聖書的で素敵なお名前です。服部氏の人生劇は御自身のブログ記事「ユダヤ教に真理を求めて」で紹介されています。というわけで、服部氏のブログ記事を読んだ私の感想を以下に記してみました。
- ブログ内で服部氏は「改宗は宗教変えだけではなく民族変えも意味する」とおっしゃっています。その「民族変え」という表現と、そのために同氏が払った犠牲の大きさに私はユダヤ教への疑問と驚きとを抱いてしまいました。
- もちろん服部氏が14歳の時に「神に会いたい」と願望したその熱いエネルギーは、キリスト教を経てユダヤ教の中で今日の彼を動かしているのだと察します。その探究心と決断力の大きさには圧倒されます。
- しかし偶像礼拝者だからとお父様のご葬儀に出席するのを拒みつつ、その一方で、ご長男としてお父様の残された遺産を相続したというのでは「民族変えの法則」は全うされなかったことになるのではないでしょうか。
- またお父様の残された財産の恩恵を受けて、数百万円もするトーラーの巻物をお買い求めになったのなら、たとえ「宗教がえ」をしても、日本のご家族(たとえ彼等から「あなたは他人です」と跳ね返されても‥。)と縁を切るのは残酷だったような気がします。
- ユダヤ教は異邦人との結婚は禁じていますが、異邦人との接触や対話までをも禁じるのでしょうか。そうは思いませんが。
- もし超正統派のラビでさえ(服部氏のように)インターネットを使用する時代になったのであれば、スカイプ電話やEメールによる交流は可能なはずです。
- 私が心配してもしょうがないのでしょうが。お子様のいらっしゃらない服部ご夫妻のこれからや、ご親族や他の日本人との関わりについて考える時、私は「民族変え」という言葉を聞き流すことはできず、服部氏はとても重たい現実と戻ることのできない人生の狭間の中で日々を過ごしておられるのだろうと切に感じました。
祈り)服部氏と奥様が、又それぞれが日本に残してきたご親族が、人生の最後に「これで良かった。」と心から自分自身とお互いに告げることができたら。そんなことを心にとめつつ彼等の人生の祝福をお祈りします。
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